六百万ゴールドを握りしめ、私は金策というものを始める

リアル社畜、マイタウンを買う。

前回、私は2億ゴールドを目指すことにした。

我ながら、たいへん立派な決意である。

2億ゴールド。

口にするだけなら簡単だ。

「2億ゴールドを貯めます」

と言えばいい。

言うだけなら、一秒もかからない。

問題は、その2億ゴールドが、どこからともなく湧いてくるわけではないことである。

世の中というものは、そう都合よくできていない。

働かなければ給料は出ないし、
寝ているだけではゴールドは増えない。

もちろん、ドラクエ10の世界でも同じである。

そこで私は考えた。

どうすれば2億ゴールドを手に入れられるのか。

考えた。

しばらく考えた。

そして、あまり賢くない私にも分かった。

金策をするしかない。

実に身も蓋もない結論である。

金策というものは、地味である

ドラゴンクエストXには、いろいろな金策がある。

世の中には、
「これだけやれば一時間で何百万ゴールド!」

という、たいへん景気のよい話もある。

私もそういう話を聞くと、
つい心が躍る。

一時間で何百万。

それを十時間やれば何千万。

さらに続ければ、2億などあっという間ではないか。

素晴らしい。

夢がある。

しかし、現実にはそう簡単ではない。

そもそも私は、まだドラクエ10を始めて三か月ほどである。

知らないことが多い。

できないことも多い。

そして何より、
仕事がある。

家に帰れば、家のこともある。

2億ゴールドのために、
人生のすべてをドラクエ10へ捧げるわけにはいかない。

そこで私は、
今の自分にできる金策を選ぶことにした。

ランプ錬金である。

たいへん地味である。

2億ゴールドという壮大な目標に対して、
ランプを回す。

なんとも慎ましい。

原始獣装備を買う

まず、原始獣装備を買う。

ここから始まる。

2億ゴールドへの長い旅の第一歩である。

……と言えば聞こえはいい。

実際にやっていることは、
バザーを開いて装備を探しているだけである。

値段を見る。

相場を見る。

錬金後の商品を見る。

そして、しばらく悩む。

「これなら利益が出るだろうか」

と考える。

考えている間にも、
他の誰かが商品を買っていく。

世の中は待ってくれない。

仕方がないので、
また探す。

ようやく購入する。

2億ゴールドへの第一歩として、
私は原始獣装備を買った。

なんとも地味な第一歩である。

そして、ランプを回す

原始獣装備を買ったら、
今度はランプを回す。

ここでようやく、
金策らしいことをする。

ランプを回す。

錬金する。

結果を見る。

また回す。

非常に単純である。

しかし、この単純な作業を積み重ねて、
ゴールドを増やしていく。

そう考えると、
なんとなく壮大なことをしているような気もしてくる。

実際には、
ゲームの中でランプを回しているだけなのだが。

錬金についても、
成功したからといって、それだけで大儲けできるわけではない。

失敗したからといって、
すべてが終わるわけでもない。

大事なのは、
装備をいくらで買ったのか。

錬金にいくら使ったのか。

そして、いくらで売れたのか。

つまり、

入ってきたゴールドと、出ていったゴールドの差を見る。

たいへん現実的である。

夢を見ているような名前のゲームをしながら、
やっていることは、
ひたすら収支計算である。

人間というものは、
不思議な生き物である。

バザーに出す

錬金が終わったら、
バザーに出品する。

あとは売れるのを待つ。

自分で作った装備が、
バザーの棚に並ぶ。

そして、誰かが買う。

その瞬間、
少しだけ嬉しい。

たとえ利益が数万ゴールドだったとしても、

「私は今、2億ゴールドへ近づいた」

と思えば、
なんとなく偉大なことを成し遂げたような気がする。

実際には、
2億ゴールドまでの距離はほとんど変わっていない。

しかし、
人間は気持ちで生きている。

だから、それでいいのである。

売れたら、また原始獣装備を買う。

ランプを回す。

バザーに出す。

売れる。

また買う。

これを繰り返す。

華々しさはない。

大逆転もない。

ただ、少しずつ前へ進む。

どうやら私は、
そういう金策を始めるらしい。

600万ゴールドを持って、何をするのか

ここまで来ると、
少し不安になる。

本当にこれで2億ゴールドまで届くのだろうか。

一時間でどれくらい増えるのか。

一日ではどうなのか。

一週間続けたら、
どれくらいになるのか。

まだ分からない。

分からないから、
やってみるしかない。

幸い、
今の私は600万ゴールドを持っている。

大金である。

少なくとも、私にとっては大金である。

これを使って、
原始獣装備を買う。

ランプを回す。

バザーに出す。

そして、
少しずつ増やしていく。

600万ゴールドが、
650万ゴールドになるかもしれない。

700万になるかもしれない。

逆に、
思ったほど増えないかもしれない。

それも含めて、
記録していこうと思う。

たぶん、ここからが本番である

これまで私は、
2億ゴールドについて話してきた。

2億ゴールドが欲しい。

マイタウンが欲しい。

だから金策をする。

しかし、ここからは少し違う。

実際にログインして、
実際に装備を買って、
実際にランプを回す。

そして、
実際にゴールドが増えるのかを見る。

数字は嘘をつかない。

たぶん。

少なくとも、
私よりは正直である。

だからこれからは、
数字を残していく。

いくらで買ったのか。

いくら使ったのか。

何時間やったのか。

いくらで売れたのか。

そして、
最終的にいくら増えたのか。

そうして一日、一日と積み重ねていく。


600万ゴールドを握りしめて、私は金策というものを始める。

2億ゴールドという遠大な目標に対して、
最初にやることは、
原始獣装備を一つ買うことである。

なんとも小さな話である。

しかし、
大きな夢というものは、
案外こういう小さなところから始まるのかもしれない。

原始獣装備を買う。

ランプを回す。

バザーに出す。

売れたら、また買う。

そうして少しずつ、
ゴールドを積み重ねていく。

2億ゴールドまで、
あと何日かかるのかは分からない。

何か月かかるのかも分からない。

もしかすると、
何年かかるのかもしれない。

それでも、やる。

なぜなら、
マイタウンが欲しいからである。

理由としては、
それで十分だろう。

600万ゴールドを握りしめ、
私は金策というものを始める。

夢みたいなことを、

現実でやってみる。

――夢幻浪漫。

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